[メイン2] 巴マミ : 「…………。」
[メイン2]
巴マミ :
主様には病気休みを申し込んでおいた。
仕事前に入れた紅茶が……何度入れ直してもまともな味がしない。
[メイン2]
巴マミ :
……いや、紅茶だけじゃない。
口に入れるものすべて、まるで砂を噛んでいるかのような味だ。
[メイン2]
巴マミ :
「……なによ、これ」
探るように身体をひとつひとつ確認する…も、舌のほかに異常はないらしい。
[メイン2] 巴マミ : 「……やっぱり……」
[メイン2]
巴マミ :
昨日のことを思い出そうとするも、途中から靄がかかったように思い出せない。
……ロックスターさんは少し酔っていたにせよ…私はあの日、ほとんど飲んでいなかったはず。
[メイン2] 巴マミ : 「……そうだ、ロックスターさん達も……!」
[メイン2] 巴マミ : だん、と机に手をつき、急いで備え付けの電話口へと向かう。
[メイン2]
巴マミ :
[メイン2]
巴マミ :
「──あ……!」
最後の言葉が通じるかどうか、という時に通話の切れた音が鳴る。
[メイン2]
巴マミ :
「……っ……とりあえず、アンサージュさんにも……!」
使用人の慣れた手つきでダイヤルを回す。
[メイン2]
巴マミ :
[メイン2]
巴マミ :
「…………」
……大丈夫、万事十全……とはいかないまでも、現在の無事と行き先が知れたことだけでも……幸いといったところよね。
[メイン2] 巴マミ : そのまま手荷物の中に小柄なマスケット銃を見えないように隠して、劇場へと足を急がせる。
[メイン2]
巴マミ :